細胞株開発について
細胞株開発(CLD)とは、治療用の生体分子またはバイオ医薬品を産生するために、主に哺乳類由来の細胞株を設計・構築することです。これにより、対象製品のアプリケーションや求められる特性に応じて培養条件を最適化することが可能になります。
試験、最適化、および商業スケールでの製造に十分な原料を供給できる堅牢で安定した細胞株を創出することは、バイオ医薬品製造プロセス開発において極めて重要な工程です。プロジェクト初期段階で選択する進め方は、将来的な成功または失敗を左右します。
以下に、細胞株開発ワークフローの概要を示します。
堅牢な細胞株の創出および最適化の過程には、さまざまな段階で課題が生じる可能性があります。
しかし、初期のプロセス開発段階で将来的に起こり得る課題への認識を高めることで、失敗のリスクを軽減し、プロセスの繰り返しに伴う費用を削減するとともに、細胞株およびバイオ医薬品が規制要件を満たすことを確実にできます。
動画を視聴する:細胞株開発とは?
この動画では、細胞株開発ワークフローにおける各工程と、課題をどのように克服するかについて理解を深めることができます。
この動画で学べる5つのポイント
- 製品力価、細胞の健全性および増殖の評価を目的とした、ミニプールの迅速なクローニングおよびスクリーニング
- 最適なCQAおよび標的特異性を備えた高生産性クローンの早期特定
- 最適な増殖およびタンパク質産生のための培養条件および培地組成のスクリーニング
- タンパク質の安定性、生産性、品質特性に関する最適クローンの特性解析
- 研究用セルバンク(RCB)、マスターセルバンク(MCB)、ワーキングセルバンク(WCB)の調製
よくあるご質問
主に治療用の組み換えタンパク質から構成されるバイオ医薬品は、さまざまな疾患、特にがんや炎症性疾患の治療において大きな成果を上げてきました。
バイオ医薬品の製造では、生きた宿主細胞を生産の中核として利用します。
試験、最適化、および商業スケールでの製造に十分な原料を供給できる、堅牢で高収量かつ安定した細胞株を開発することは、バイオ医薬品製造プロセス開発における極めて重要な工程です。
細胞株開発のワークフローは、以下の5つの主要な工程で構成されています。
- 遺伝子クローニングおよび初期クローン選択
- クローン選択および確認分析
- 培養および培地の最適化
- 細胞株の評価および特性解析
- セルバンキング
各工程の詳細については、ザルトリウスの「細胞株開発向けカスタムソリューション」をご覧ください。
細胞株の重要品質特性(CQA)には、アイデンティティー、微生物学的無菌性、遺伝的正確性および安定性、そして生存性が含まれます。バイオ医薬品製品の特性解析においては、CQAは有効性および生物学的活性にも拡張されます。
後者には糖鎖構造(グリコシル化パターン)が含まれ、これはバイオ医薬品の半減期、免疫原性、薬物動態に影響を及ぼすため、医薬品開発および製造の全工程を通じて厳密にモニタリングする必要があります。
CQA解析の簡素化について詳しくは、ザルトリウスのeBookをご覧ください。
大量の細胞培養プレートに何千もの細胞を播種したにもかかわらず、単一細胞由来でなかったり、生存性や生産性が十分でなかったりする――そのような状況にお困りではありませんか。
また、プロジェクトの力価目標を満たす「理想的なクローン」を見つけるために、何百枚ものプレートをスクリーニングする作業に疲れていませんか。医薬品向け細胞株開発を、偶然に任せてしまっていませんか。
CellCelectorシングルセル・コロニー回収プラットフォームを使用すれば、どのクローンを選択するかを決定する前に、それぞれのクローンを効率的に評価・検証することができます。
わずか1週間未満で、単一細胞のプールから、モノクローナル性・生存性・生産性が実証されたクローンで構成されたプレートを得ることが可能です。多数のプレートに頼って「当たり」を探すのではなく、クローンの将来性を信頼性高く予測できる実データに基づいた選択が可能になります。
その結果、消耗品や培地コスト、インキュベーターのスペースを削減できるだけでなく、誤った判断や再クローニング、不必要な工程を回避することで、プロジェクト目標達成までの貴重な時間を大幅に短縮できます。
従来のシングルセルクローニングワークフローでは、単一細胞を96ウェルプレートに播種します。しかし、細胞はウェルの縁に沈着することが多く、明視野観察では信頼性の高い自動シングルセル検出が困難です。
そのため、クローンのモノクローナル性は、通常、0日目に手動で確認するか、クローンが増殖した後に遡って確認されます。
そもそも、細胞が占める面積の100倍以上もあるウェル内で、単一細胞を探し出す必要があるのでしょうか。
CellCelector HT-NICアプローチでは、細胞は直径200 µmのナノウェル内で分離され、明確に可視化されます。そのため、ソフトウェアにより信頼性高く自動識別することが可能です。播種直後であっても、また細胞がナノウェルの縁に接している場合であっても、同様に正確な検出が可能です。