ISO 8655:ピペットの校正や試験
ISO 8655はピストン式容量測定装置(POVA:ピペット、ディスペンサー、ビュレット、ダイリューター等)の校正や試験に関する国際規格です。最新版は10個のパートで構成され、ピストン式容量測定装置の試験方法、最大許容誤差等に関する要求が規定されています。ピペットの校正や試験はパート6,パート7、およびパート8に記載され、パート6:重量法による参照測定手順では高い精度の天びんの使用が規定されています。ISO 8655では実験室において高い信頼性と再現性が確保された分注精度が要求されています。
このため、ピストン式容量測定装置の製造者だけでなく、校正や試験を実施する校正機関やユーザーのニーズ等にも対応しています。
ザルトリウスではこの規格をわかりやすく解説し、以下のソリューションを提供しています。
- 天びん
- ピペットとチップ
- 関連サービス
- ピペット校正ソフトウェア
- グレード3ラボ用精製水製造システム
- ピペッティング技術に関するトレーニング
ピペットの校正や試験のソリューション
ピペットの校正や試験に対応したソリューションを提供しています
アプリケーションハイライト
マルチチャンネルピペットの体積性能
Cub isR1 1M PS116S - 迅速、高い信頼性、関連規格への適合を一つのシステムで、ほぼすべてのシングルチャンネルピペットの容量範囲をカバー
MPS 116Sは省スペース、ダウンタイムの削減、効率化を実現するオールインワンのピペット校正用天びんです。コンパクトで運びやすく、簡単な操作、これ1台で複数の機器と同様の機能を備えています。また、環境への順応が早く、精度や信頼性の高い結果を得ることができます。
ピペットは多くの実験室に不可欠なツールで、その適切な管理がそれぞれのアプリケーションにおける品質や精度に影響を与えます。日常的なクリーニングやメンテナンスだけでなく、ピペットの精度や正確性を定期的に検証する必要があります。ピペット校正におけるスマートソリューションはこの実現に貢献します。
- 2 μL~5mLの測定容量範囲を一つのシステムで対応可能
- コスト削減: 購入、管理、輸送する機器を削減することでコストを抑え、メンテナンスコストを半減させるtことができます。
- 信頼性: ピペットの公称容量に応じて、1 μg、10 μg、100μgの読取限度を選択することが可能です。ピペットの測定容量に合わせて読取限度を選択することで、最短の測定時間での測定が可能です。
- エルゴノミクス対応: 最新のモーションセンサーを採用し、繰り返し測定に対応した自動開閉リッド付きのひょう量容器を備えています。
- 法規制準拠: デスクトップ・アプリケーション「Ingenix Suite」または「QApp」により、最新の法規制に準拠します。
Cubis IIのシングルチャンネルピペット校正システムへのアップグレード (YCP01MPS)
第三世代の天びん、Cubis IIを使用されていますか?
YCP01MPSアクセサリーは既存の天びんに別途、専用機器を追加することなく新たな機能として、ピペット校正システムへと変貌させます。また、最小限のコストで既存の機器を活用することとなり、機能を拡張する画期的なソリューションとなります。
このアクセサリーは高性能なラボ用天びんの汎用性や利便性を失うことなく、シングルチャンネルピペットの校正ソリューションに変貌させます。
利点:
- 導入:Cubis II天びんをわずか数分でピペットキャリブレーションシステムに変更させます。
- エルゴノミクス対応: 最新のモーションセンサーを採用し、繰り返し測定に対応した自動開閉リッド付きのひょう量容器を備えています。
- 法規制準拠: デスクトップ・アプリケーション「Ingenix Suite」または「QApp」により、最新の法規制に準拠します。
マルチチャンネルピペットの校正や試験
ISO 8655-6において、マルチチャンネルピペットはそれぞれのチャンネルを単一ピペットとして扱われています。8.4項では全てのチャンネルを同時に吸引、吐出し、それぞれのチャンネルを個別にマルチチャンネル天びんで測定する方法について解説しています。
SpeedCal mobileは特許取得済みの独自のマルチチャンネルピペット校正システムで、最大12チャンネルのピペットを同時に高い精度で迅速に、かつ効率的に測定することが可能です。
- ISO 8655-6に準拠したマルチチャンネルピペットの測定を約10分で実施可能
- 4,8,12チャンネルモデルから選択可能(導入後のアップグレードも可能)
- 読取限度:0.01 mgにより、0.5 μLからの測定が可能
ピペットサービス
ピペットは多くのラボでサンプルや分析試薬の調整に使用されています。このため、ピペットの精度は手動、電動問わず重要となります。
ザルトリウスはピペットの信頼性やそれらの結果を保証する第三者校正機関として認定を受けたピペット校正サービスを提供しています。
このサービスは他社製のピペットにも対応しています。
サービス補償内容:
- セキュリティや法規制への適合性の監査
- ピペットの性能の最適化
- 一貫性、高い信頼性、および再現性が確保された分注結果
ピペットの管理と法規制準拠の校正結果の報告書
ピペットの管理は、その公称容量、測定環境、およびチャンネル数等に適応した精度や再現性、また、調整前、調整後の校正が必要となります。ISO 8655-6 10項では報告すべき最小限の内容が規定されています。それぞれの試験もしくは校正の結果は、正確性、明確性、および客観性が求められます。
Ingenix Pipette Advanced Calibration Moduleはサービスプロバイダーやご自身でピペットの校正を行うユーザーに最適なソフトウェアです。
- ISO 8655、21CFR part 11、またEMA annex1等に準拠したピペット校正
- 他社製の天びんにも対応
- ピペット管理や試験や校正間隔をサポート
ISO 3696で規定された試験用水
ISO 8655-6、6項では試験用水としてISO 3696:1987で規定されているグレード 3以上の脱イオン水もしくは蒸留水の使用が要求されています。
Arium® Advance EDIは品質の高い脱イオン水を安定して供給することができます。水道水に含まれる不純物や汚染物質を3段階の精製工程により効率的に除去しています。。
- ユーザーフレンドリー:使いやすいタッチパネルでのメニュー操作
- 環境への配慮:グレード 2脱イオン水を安定して供給、ボトル購入時の廃棄物を削減
- スタマイズ:Arium® Smart Stationや様々なサイズのバッグタンク等、用途や使用量に合わせたカスタマイズが可能
POVAを適切に使用するためのベストプラクティス
2024年 2月、ISO 8655 パート10が追加されピストン式容量測定装置 (POVA)の選定方法やピペッティングテクニックの習得に関する指針が示されました。このISO 8655パート 10にはPOVAのタイプ、液体サンプルの特性、ピペッティング方法やその他の要因等、取り扱いに関するベストプラクティスが解説されています。
ザルトリウスではISO 9001認証を取得したピペッティング・アカデミーを提供しています。このアカデミーでは、ピペッティングテクニックだけでなく、メンテナンス、校正、人間工学に基づいた操作方法等を紹介しています。これらを取得することににより、業務レベルの向上や厳しい品質基準の達成等が望めます。
リソース
よくあるご質問
以下の天びんの最小要求事項の表に従い、試験装置の公称容量から選定します。これらの項目だけでなく、天びんの測定の不確かさを考慮することも要求されています。
| 試験装置の公称容量 (V) | 分解能 (d) mg | 繰返し性 (s) mg |
|---|---|---|
| 0.5 μl ≤ V < 20 μl | 0.001 | 0.006 |
| 20 μl ≤ V < 200 μl | 0.01 | 0.025 |
| 200 μl ≤ V ≤ 10 ml | 0.1 | 0.2 |
| 10 ml < V ≤ 1 000 ml | 1 | 2 |
| 1000 ml < V ≤ 2000 ml | 10 | 10 |
ザルトリウスCubis IIおよびMPS天びんはこの要求を満たしています。
校正とはGLPやISO 8655等の法規制に準拠し、ピペットと使用しているチップの適合性を含めてピペットの分注精度を計量学的に確認することになります。
予防メンテナンスはクリーニング、グリスアップ、消耗部品の交換等を定期的に実施し、ピペットのライフサイクルの延長や分注精度の確保するためのものとなります。
ISO 8655はピストン式容量測定装置 (POVA)、およびその校正に関する要求事項を規定し、校正の環境条件、手順、設備についての詳細な指針も記載しています。ISO 8655:2022ではPOVAの製造や使用中の管理に関する要求が追加されています。これは、試験方法、試験環境、試験機材、報告内容、測定の不確かさ、およびPOVAの作動等に関する一般要求事項となります。ISO 8655は、ピペット、ビュレット、ダイリューター、ディスペンサー、および手動操作の実験用シリンジに適用されます。
ISO/IEC 17025は試験所、および校正機関の能力に関する一般要求事項を規定しています。ISO/IEC 17025に基づいた認定を取得した校正機関は、要求に応じて提供される校正における測定の不確かさにより、ピペットの校正においても最高水準の信頼性と確実性を提供します。ISO/IEC 17025に基づく認定の取得や維持には、人員、手順、設備等広範囲の試験が必要となり、毎年、審査機関による審査を受けています。測定の結果に対して、品質や信頼性が要求されるラボにとってISO/IEC 17025に基づく認定校正機関の利用が不可欠です。それは以下の事項を保証するためです。
ー すべての測定値が国内および国際的な方法・基準にトレーサブルであること
ー ピペットおよび測定プロセスの不確かさが考慮されていること
ー 証明書を発行する試験所は、独立した専門家および認証機関(例: DAkkS、UKAS、ANAB、COFRAC、JCSS、FINAS)により承認されていること
ー 認定されたピペット校正証明書は、世界中で広く受け入れられております
Good Laboratory Practice(非臨床安全性試験基準)に従ったピペッティング品質管理プログラムを確立するためには以下のような標準作業手順書 (SOP)を作成する必要があります。
- 試験間隔、機器、作業者の適格性検証、試験容量、合否判定基準、結果の文書化、不適合発生時の措置等、ラボにおける日常点検に関する規定
- 校正の要求事項(ISO 8655やISO/IEC 17025への準拠等)、試験手順や実施間隔、汚染除去、記録の文書化、不具合の評価等、メンテナンスや校正に関する手順
- ピペッティングテクニック、品質システム、規格等、使用者の継続的な教育と適格性評価に関する文書化