成功事例:Matica Biotechnology
AAV8のスケールアップを共に実現:プロセスイノベーションに向けた協業の取り組み
AAV治療への需要が急速に高まる中、開発企業は、スケーラブルで柔軟性が高く、規制要件にも対応可能な製造プロセスの構築を求められています。
この課題に対応するため、ザルトリウスとMatica Biotechnologyは協力し、堅牢なAAV8製造プラットフォームを構築・検証しました。その結果、ベンチスケールから50 Lスケールまで一貫した性能を実証しています。
アップストリームプロセスとダウンストリームプロセスをデータに基づいて統合したアプローチにより、両社は再現性の高い力価、効果的なフル/エンプティカプシド分離、ならびに優れた不純物除去性能を実現しました。これらはいずれも、GMPに準拠した柔軟な製造フレームワークの下で達成されたものです。
本協業は、イノベーションを共有することで、次世代の遺伝子治療製品に向けた製造プロセスの複雑さを軽減し、スケールアップを加速するとともに、商業生産に向けた製造体制の強化につながることを示しています。
AAV遺伝子治療のワークフロー
AAV治療のためのソリューション
コネクテッドサービス
プラスミドエンジニアリングサービスは、独自のDNAブリックアプローチに基づくカスタムプラスミド設計サービスです。最も複雑なプラスミドを含め、あらゆるプラスミドの迅速かつ高精度な設計を実現し、95%を超える高い成功率を誇ります。
プラスミド製造サービスでは、高収率と優れたスーパーコイル構造の維持を実現しながら、高品質なpDNAを製造します。また、製造した各プラスミドDNAについて、臨床試験および商業利用におけるコンプライアンスを支援する規制対応サポートを提供します。
AAV試験サービスは、研究開発段階から規制当局による承認取得まで、AAV製造を包括的にサポートします。すぐに利用可能な品質管理(QC)試験プラン、事前にバリデーションされたcGMPアッセイ、さらに同定、純度、有効性、安全性の評価に特化した高品質な分析サービスにより、開発の迅速化と十分な試験対応能力を提供します。
Cornerstone 開発サービスは、お客様が必要なスケールで自社のpDNA精製プロセスを確立できるよう支援します。また、開発したプロセスをお客様の製造拠点へシームレスに技術移管できるようサポートします。
細胞培養用培地サービスでは、ベンチマーク評価、培地最適化、培地開発、培地製造など、幅広いサービスを提供しています。これらのサービスはすべて、培地上清分析の結果に基づいてサポートされています。
コネクテッド ソフトウェアと分析ツール
ライフサイエンス領域向けに使いやすく設計されたDOEソフトウェアです。
ザルトリウス製装置およびBiobrain Superviseと連携可能な、すぐに使えるコネクターを備え、導入をスムーズにします。
さらに、データサイエンスチームのサポートにより、お客様のデータ活用を最大限に引き出します。
プロセスの専門家向けのデータ探索を効率化する、多変量データ解析ソフトウェアです。ザルトリウス製装置およびBiobrain® Superviseと連携可能な、すぐに使用できるコネクターを備え、導入をスムーズにします。
さらに、データサイエンスチームのサポートにより、お客様のデータ活用を最大限に引き出します。
ザルトリウス製およびサードパーティのユニットオペレーションを接続する、データ収集・プロセス制御・監視を統合したSCADAシステムです。
スケーラブルな設計により、1~32のプロセスユニットに対応。Umetrics®との統合により、DOEや高度なプロセス制御を実現し、プロセス開発(PD)からGMP製造までを支援します。
サンプルの依頼|原材料および消耗品
ニーズに最適な原材料および消耗品をお選びいただくために、ザルトリウスの幅広いポートフォリオからぜひサンプルをお試しください。
AAV研究開発ソリューション
AAV研究開発ソリューション
AAV遺伝子治療についてさらに理解する
注目の資料
ザルトリウスアカデミーによるAAV遺伝子治療コース
関連ページ
AAV遺伝子治療に関するその他の製品、サービス、およびトレーニングをご覧ください。
よくあるご質問 - AAV遺伝子治療
アデノ随伴ウイルス(AAV)は直径30 nm未満の小型ウイルスで、主にエピソーム型で発現する5 kbのDNAをカプシド内に含んでいます。カプシドタンパク質の発現の違いにより、異なるセロタイプが存在し、特定の臓器を標的とすることが可能です。
通常、2~3種類のプラスミドをHEK293細胞へトランスフェクションすることで製造され、その後、ろ過およびクロマトグラフィーを用いた精製により不純物が除去されます。
重要品質特性(CQA)は、通常リスク評価の過程で設定され、開発対象となる医薬品ごとに異なります。
ほとんどの医薬品では、製品の安全性、同一性、無菌性、純度、および有効性が重点項目となります。アデノ随伴ウイルス(AAV)治療の場合、有効性の測定は特に困難です。
有効性評価には、ゲノム力価およびカプシド力価の評価や、遺伝子導入効率の評価が含まれる場合があります。副作用を回避するためには純度の確保も極めて重要であり、そのため、空のAAV粒子、DNA、タンパク質などの不純物のモニタリングが不可欠です。
AAVプロセスの性能向上に向けて、ザルトリウスはHEK細胞培地や、FectoVIR®‑AAV、pPLUS® AAV‑Helperなどのトランスフェクション試薬を提供しています。
250 mLから2,000 Lまで同一形状を備えたシングルユースバイオリアクターと組み合わせることで、スケールアップの簡素化を実現します。さらに、清澄化工程向けに、Sartoclear®デプスフィルター、Hydrosart®カセット、Sartopore® 2 XLG滅菌フィルター、そしてプロセス開発から大規模製造までスケール可能なモノリスカラムを、シングルユースおよび閉鎖系フォーマットで提供しています。
ダウンストリーム工程では、医薬品の安全性および有効性を最大化するため、DNAやHCPなどの不純物を除去する必要があります。
AAV製造では、内容物を含まないカプシドが最大80%に達する場合があり、完全粒子との類似性が高いため、分離が困難です。また、AAVの濃縮工程では、フィルター材料への吸着による凝集や損失が生じ、全体の性能低下につながる場合があります。
ザルトリウスは、Sartoclear®デプスフィルター、低吸着フィルターを用いたTFF向けHydrosart®カセット、そして品質保証(QA)を備えたモノリス技術など、不純物や空のカプシドを効率的に除去するソリューションを提供しています。さらに、Recombumin®組み換えヒトアルブミンは、AAVの凝集を防止します。